常石造船(福山市沼隈町常石、奥村幸生社長)は3月28日、タグボートでは国内初となる水素・重油混焼エンジン船を本社・常石工場で進水した。タンカーなどの大型船が離着岸などで低速で航行する際に方向転換や推進を補助する同船は、全長38×幅9・6×深さ4・2㍍。12気筒エンジン2基(4400馬力級)と250㌔㌘の高圧水素ガス貯蔵設備を備え、従来船と同等の性能がありながら水素混焼航行時はCO2排出量を約60%削減できるという。またJFEスチール製のグリーン鋼材「JGreeX」を船全体に使用し、鋼板に起因する同排出量もゼロにした。日本財団がCO2を出さない船の開発を目指す「ゼロエミッション船プロジェクト」の一環で、ツネイシグループは2026年中に世界初の浮体式洋上水素ステーションと水素専焼中速エンジン搭載のレストラン船を建造予定。
担当記者:額田