システム開発のアンコード(中区加古町、丸田稔社長)は、IT企業向けエンジニア育成事業に乗り出す。東京に軸足を移し、数年後の本社移転を視野に入れるほか、ヨーロッパなど海外案件の受託開発・DXコンサルにも力を入れる。近年はさまざまな業界・業務特化型のクラウドサービスが増えたほか、自社システムの開発を内製化する動きがあり、同社が得意とする中小企業向けの受託開発市場が減少傾向。一方、専門学校や大学で学んだ新卒エンジニアでも、実務での戦力化には1年程度必要とされ、業界の成長速度に人材育成が追い付いていないという。育成事業は、経験豊富な外部のシニアエンジニアと連携し、現場の実務課題に直接応用しやすいカリキュラムを推進。Java(ジャバ)やPython(パイソン)など、特定のプログラミング言語や組織の文化などに合わせ、早期のスキル習得を支援する。世界的なITエンジニアの人材不足が続く中、円安などを背景に、海外の受託案件やITコンサル事業にも進出。日本のエンジニアは、品質重視の文化を背景にヨーロッパなどでも評価が高いという。丸田社長は中小企業診断士の資格を持ち、売り上げ拡大や収益改善と一体化したIT活用を提案したいとする。
担当記者:高見