大和ハウス工業子会社でマンション管理などの大和ライフネクスト(東京)は2027年1月、JR広島駅近くの南区荒神町1―1ほかに相部屋型の簡易宿泊施設「グランドホステルLDK広島」(仮称)の開業を計画している。同ブランドは広島で初。7月に着工し、26年10月の完成を見込む。一帯ではホテルチェーン大手のアパグループ(東京)が積極投資を進めており、各社はインバウンドを中心とした旺盛な観光需要を取り込む狙いだ。

駅とマツダスタジアムを結ぶ「カープロード」沿いに位置し=写真右側の駐車場=、隣地には昨年10月開業のアパホテル広島駅前スタジアム口がある。現地に設置された看板によると、敷地396平方㍍に12階建て延べ2499平方㍍(高さ41・9㍍)を新築し、客室は41室、宿泊定員267人を予定。設計・施工は大和ハウス工業が担う。キッチンや風呂、トイレが共用のホステルは比較的安価な宿泊料で利用者同士の交流も楽しめることから、長期滞在傾向のインバウンドを中心に一定の人気があるという。大和ライフネクストが昨年末に立ち上げたグランドホステルLDKは快適性を高めた「一つの大きな家(LDK)」をコンセプトに、ラウンジやカフェを備えるなど共用スペースを充実させ現在、北海道、東京、大阪に計4施設を展開している。観光庁によると、24年に県内に宿泊した外国人は前年比36・3%増の延べ196万8440人だった。こうした需要を踏まえ、3月開業の新広島駅ビルに「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」(ジェイアール西日本ホテル開発、380室)が入り、アパグループは駅周辺で24〜28年に4棟1387室の開業を控える。このほか、南区的場町のホテルセンチュリー21広島跡地に総合不動産のサムティ(大阪)が国内2棟目となる英国IHGホテルズ&リゾーツの「VOCO広島」を、東区二葉の里には住友不動産(東京)がマンションやホテル、温浴施設が入る34階建て複合ビルの建設を計画している。

担当記者:道本

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