ネット通販コンサルティングなどのエンパタウン(西区横川町、平本賢文社長)は、楽天市場向けなどのSaaS型EC店舗運営効率化システム「エンパポータル」サービスを始め、第31回ひろしまベンチャー助成金「広島ベンチャーアワード」を受けた。「ページ・画像作成」、「セール更新」など約30のツールを使い放題の定額で提供し、現在約60社が利用する。2025年度は増員やオフィス拡張を計画。ツール開発や営業を強化し、150〜200社の利用を目指す。新システムは昨年7月に本格稼働し、月額2万5000円(3月末現在)で提供する。「ページ・画像作成」ツールは、二重価格(セール期間)画像、ランキング受賞画像作成などがエクセル入力、フォーマット選択などでできる。「セール更新」ツールでは、週末や夜中でもセールの更新や復元が自動で可能。他に「SEO対策」、「データ分析」、「RPP(楽天市場の検索連動型広告)・広告運用」などのツールがあり、更新時間を大幅に短縮する。楽天市場に出店する県内企業では瀬戸内レモン農園、島屋(工具など)、WaterAir(レディースインナー)、県外では伝統工芸品の福島の大堀相馬焼、岡山の人形のこどもや本店などが利用。毎月ツールを増やしており、今後はAIを利用した商品ページ作成などにも取り組む。4月に本社の横川駅前ビル5階に加え、4階230平方㍍を拡張。現在の社員は8人で、システム開発やデザイナー、コンサルタントなど5人を増員する。エンパポータル事業はアマゾン、ヤフーショッピングなどにも広げる方針。平本社長は「『ECの力で地方を元気に!』が経営理念だが、コロナ禍でEC分野に進出する大企業が増えて競争が厳しくなっている。マーケティングや、デザイナーの地方での人材不足、人材コストなどの課題解決に役立ててほしい」と話す。平本社長は呉市出身で、慶応大学在学中にネットメディア事業のデザインワン・ジャパン(現在は東証スタンダード上場)で営業チーム立ち上げに参画し、卒業後に楽天へ入社。広島支社を拠点にECコンサルタントとして6年間、中国地方を中心に四国・九州を含め約1000社のECコンサルを担当し、ECの勉強会も主宰した。独立し20年5月に会社設立。ECコンサル、商品デザインなどの事業も行う。商品開発は茶のリーフエッジ(岡山市)の生チョコ、デザインは佐々木米穀店(安芸高田市)の「恋の予感」の包装などを手掛けている。

担当記者:大谷

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