食品スーパーや酒販店を経営している。東京工業大学時代、先輩の勧めで端艇部に入部し、ボート三昧の4年間を送った。週6日間を埼玉県の合宿所で過ごし、朝4時半に起床してボートをこぎ、学校では陸上トレーニングに励む毎日。恵まれた体格ではないからこそ、一本一本どうこごうかなと必死に考えた。強豪の試合を見学したり、無駄に力を使わないこぎ方を仲間と話し合ったりして、最高でベスト4に入ることができた。現在も同期と年に1度大会に出場している。オールの入水角度やタイミングが少しでもずれるとうまく進まないが、皆で息を合わせると、水の上をスキーのように滑っていくのが気持ち良い。JC時代にご縁を得て約20年前から上田宗箇流の福間宗伸師範に師事。所作や茶わん、食事や書き物など一つ一つにさまざまな心配りや工夫が凝らされていて、学びが多い。私なりに考え、寒い季節にバックヤードに温かい飲み物を差し入れしたところ、とても喜んでもらえたことがうれしく印象に残っている。これらを通して経営に欠かせない考え続ける姿勢が身に付いたように思う。全国大手がひしめく中で営業を続けていくにはお客さまと向き合い、地域に愛される店をつくらなければならない。食卓をイメージできる売り場になっているか、積極的に顧客とコミュニケーションをとっているか、掃除の仕方一つをとっても効率を上げる手段はないか、従業員と共に考え続けたい。

担当記者:大島

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