米粉、きな粉など製造の上万糧食製粉所(安佐南区伴南、栗栖亮輔社長)は、米由来のパン粉「WA―PANKO(ワパンコ)」の販売が好調だ。2019年の発売から取引先を広げ、関連商材を含めた売上高は約2億円に達し、全体の2割を占める主力商材に育った。
国産米粉を独自製法でパン粉のようなフレーク状に加工。当初は小麦や小麦由来のタンパク質「グルテン」にアレルギーのある人に訴求しようと家庭用を中心に営業展開。数年前から提案に注力する業務用が成長をけん引する。顧客の要望を基に、パン粉を剥がれにくくする卵・小麦粉不使用の衣の生地(バッター)や、きつね色に揚げられるトウモロコシ入りなどを開発し、関連商材を拡充。レシピも無償で提供する。こういった取り組みが奏功し、23年度は給食や生協向けの冷凍食品メーカーをはじめ串カツ店などに相次ぎ採用された。競合である小麦由来品の値上げで価格差が縮まったことで、吸油量の少なさ、サクッとした食感、ソースが映える白っぽい見た目などの付加価値を訴求しやすくなった。冷凍が必要な他社の米由来パン粉と異なり、常温で長期保存できる点も受けている。売り上げ増に伴い、23年春には本社工場に専用ラインを増設した。24年9月期決算は4期連続増の売上高9億9800万円を計上。今期は10億円の突破を見込む。4月には看板商品のきな粉のパッケージをジッパー付きに改良し提案営業を強化。来期の基幹システム刷新を見据え、受発注のデジタル化を進める。
担当記者:大島