食品トレー最大手のエフピコ(福山市、佐藤守正会長)は価格改定などが奏功して、2025年3月期のグループ連結売上高が前期比6・1%増の2356億円、純利益は6・5%増の124億円といずれも過去最高となった。今期は売上高2453億円を見込む。15期連続の増収で5期ぶりに最高益を更新。ウクライナ情勢など地政学的な影響によりプラスチック原材料のバージン、原油などコストは依然高騰しているが、価格改定やプラスチックを削減したいスーパーなどへのエコ製品の訴求といった営業活動が寄与した。また23年10月に完全子会社化した包装資材の商社アペックスの売上高約100億円を前期から通年で計上したことも増収につながった。佐藤会長は「トランプ政権による当社への影響は限定的。現在国内110社3100店舗まで拡大しているリサイクル活動『ストアtoストア』などを通じて、引き続き国内の営業に注力する」と話した。そのほか、24年4月に開発した超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシートは、量産に向けて11月に製造装置を発注。27年中に工場を稼働し、28年上旬の初出荷を目指す。軽量ながらも強度や高、低温耐性に優れるのが特長。建築資材、自動車部品など食品パック以外の市場も見据える。
担当記者:額田