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7回洗えば鯛の味。その小イワシの漁が6月10日、解禁された。鮮度が命の刺身。広島ならではの夏の味覚を堪能できるシーズンになった。瀬戸内海は四季の魚が楽しめるが年々、漁獲量は減り、魚の顔ぶれも微妙に変わってきているという。2022年度から広島県は市場や飲食店と一体となって瀬戸内地魚のブランド化に取り組む中、昨春、瀬戸内海で獲れる魚介類を「瀬戸内さかな」とネーミング。シンボルマークもつくり、専用サイト「瀬戸内さかな日和」で魚種をはじめ漁法や流通経路、おいしく食べる知恵などを発信。消費拡大〜持続可能な沿岸漁業を目指す。事業に参画し、旬の瀬戸内さかなを使ったコース料理などを開発・提供してもらう料理店は昨年の17店から、今年度は30店を目標に機運を盛り上げていく。事業の要となる〝こだわり漁師〟の仕事。うまさと鮮度に挑むこだわりが、ブランド化の原点にある。6月24日、県が主催した漁師の顔が見える瀬戸内さかなの取り組みの発表会で、品質の良さで定評のある広島市漁協の岡野真悟さん(40)は、「釣った魚は下処理が決め手になる。処理次第でぐんと品質が上がる。ストレスを与えず血抜き、冷やし、出荷のタイミングを考え、最高の仕上げで調理する人へ届ける。ここに最善を尽している」十数年務めたホテルを退職後に独立。広島湾を中心に魚種ごとにポイントを押さえ、釣りやほこ突きなどさまざまな漁法を駆使する。「朝9時に港を出て夕方5時くらいに戻り、6〜7時に出荷。無理のない漁を心掛けている。魚を良い状態で維持することが最優先。喜んでもらえることが一番の励みだ」  どこで誰が漁獲し、おいしく食べるためにどんな配慮や工夫があるのか知りたい。県の飲食店モニターアンケートで消費促進のポイントが浮き上がってきた。発表会に続く調理技術研鑽会で、県日本調理技能士会の副理事長で日本料理魚池の池田将訓料理長は、岡野さんが丁寧に下処理したスズキをレモン風味爽やかな揚げ物に、鹿川漁協の野村幸太さん(39)のハモは、玉ねぎと合わせて梅肉あんかけに仕上げた。江田島市出身の野村さんは高校時代からシラス漁のアルバイトで漁に親しみ、卒業後は10年間のサラリーマン生活を送ったものの親戚に漁師が多く、サワラの流し網漁に携わる父親を見て育ち、いつかは漁師として一本立ちしたいと考えていた。ところが周囲は、「やめとけ、儲からん、家族にさえん思いをさせる」の一点張りだった。「私は漁師で身を立てる根拠のない自信があった。販路開拓で料理店へ飛び込み営業もやった。獲れば獲るほど値が下がる。燃料費など高騰の一方で魚の値は上がらない。だが旬の魚は本当にうまい。きちんと処理した魚を適正な値段で届けたい。漁師はもっと自信を持っていいと思う」漁業の担い手が減る中、二人は同じ志を持つ若手の育成につながることに期待する。発表会のデモンストレーションでは稲茶の下原一晃オーナーシェフが4種のつけだれでハモを味わう一品を仕上げた。私の好みとした上で、地元銘柄の熱かんに合わせると最高の味わいになると語る。ブランド化で地酒の消費も促すに違いない。県は地魚の魅力に触れる広島周遊モデルの企画や居酒屋などへ展開する構想も練っている。

担当記者:藤井

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