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中小企業診断士の西川弘晃氏(佐伯区)は、胃管(栄養チューブ)の肺への誤挿入で起こる医療事故を防ぐための「胃内留置確認機器」の開発に取り組んでいる。2023年12月に第30回ひろしまベンチャー大賞を受賞。試作品パートナーを探し、実用化を目指す。鼻から胃へ通す胃管内に、管と管先端部に付けた検出器を挿入。検出器には人体に影響がない液体を格納し、材質がオブラートに近い特殊な膜を備え付けている。胃酸に触れることで膜が溶け、管内部の陽圧と体外の陰圧の圧力差で先端部の液体を引き上げ、胃への挿入を確認できる仕組み。師と仰ぐエンジニアや医師のもとで知見を得た。既存の確認方法のうち、胃液を吸引し試験紙でPH(ペーハー=水素イオン指数)を見る方法は手間や時間がかかる。胸部レントゲンによる確認はX線装置の設置が必要。聴診器による音の確認は肺への挿入の間違いの原因になることがあり、医薬品医療機器総合機構からは複数の方法で留置位置を確認することが望ましいと注意喚起されている。22年度に光源装置に取り付けたファイバーケーブルを胃内に挿入し光らせる方法が保険適用されたが、光源装置が35万円程度、交換できるファイバーが2000円程度かかる。新方式は電気工学的な装置を一切使わず、圧力差などの物理現象で機能するため、開発コストが低い。また体外に液体回収ボックスを設けるため衛生的で、簡易的、即時的に判別できる利点がある。X線設備がない地域や使えない在宅医療の現場をはじめ、被災地での利用、電気インフラが整備されていない発展途上国などでの利用を見込む。西川氏は山口県岩国市出身。広島大学薬学部を卒業し、中小企業診断士の資格を持つ。データホライゾンで医療費分析の業務に従事し、ひろしま産業振興機構で新規事業サポート業務を行った。