複合商業施設イメージ

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東証プライム上場でソフトウエア品質保証・テストを手掛けるSHIFT(シフト、東京)創業者の丹下大社長と兄の工さんが新会社MSERRNT(マサーント、共同代表制)を通じ、故郷の神石高原町で〝補助金や助成金に頼らない町おこし・地域活性化〟に挑む。2026年春をめどに、買い物や飲食、アクティビティなどが楽しめる大型の複合商業施設(参照:イメージ)を森林公園「きのこの森」内に開業する。また、経営に参画する神石高原温泉の付近に宿泊施設などを整備し、県外客の受け入れ態勢を広げる計画も進行中。農畜産業の振興も図り、ブランド和牛「神石牛」を育成し東京で提供することで認知度や消費量の拡大につなげる。そのほか数十件のプロジェクトに取り組む方針で、一つの企業が故郷を一体的に再開発する壮大な計画が動き出した。

新会社は22年に本格稼働。私財を投じて生まれ育った町を活性化させたいと意気込む。きのこの森で計画する複合商業施設の詳細はこれからだが、敷地約3万4000平方㍍を活用し、町民が住み続けたい、県内外から移住したいと思えるような生活インフラを整えるほか、神石高原町の魅力が凝縮体験できる複数の野外施設などを構想するという。これに先行して、既に複数の地域活性化プロジェクトを形にしている。23年5月には神石高原温泉の経営に参画。全国有数の強アルカリ性温泉で皮膚の健康促進効果が期待できるという。隣接する宿泊施設の開業を目指すほか、民泊や一棟貸し、移住者受け入れ用に古民家を複数取得済み。22年8月から道の駅「さんわ182ステーション」でキャンピングカーのレンタル事業も始めており、相場の3分の1程度の料金設定で観光客の呼び込みを図る。同12月にはガソリンスタンド「西川石油」を事業譲受。新事業のコインランドリーや和風だしカレーのキッチンカー、資源ゴミ回収事業といった生活密着サービスが町民に支持され、黒字化を達成した。ほか、町をPRするアンテナショップや、1泊30万円以上のラグジュアリーホテル開発などを構想する。地元の農畜産業の振興にも力を入れる。22年6月に購入した牛舎で神石牛を育成しており、今年5月に初出荷する。出口戦略として、3月に東京都港区西麻布に同和牛専門の焼き肉店「焼肉神石」を開く。町内の他の畜産農家からも仕入れ、所得向上にも貢献したい考え。23年12月には農業法人「ヴィレッジホーム光末」(米を中心に経営面積40㌶)を子会社化し、経営をサポートしていく。マサーント社の24年2月時点の従業員は約90人。年収600〜1200万円のプロジェクトマネジャー、同500〜800万円のプレイングマネジャー職などを募集している。メール:saiyo@mserrnt.jp

神石高原町から日本を変える

大さんは20年に出身保育所の建て替え費用として、ふるさと納税で4億円を寄付。これをきっかけに、人口約8000人で転出超過に悩む故郷のことを改めて調べた。共同代表を務める工さんは「神石高原町は地方交付税や各種交付金で約100億円の財源不足を賄うが、あらかじめ使い道が決まっていることが多く、地域活性化のためには自由に使えるお金を増やさなければならない。つまり、住民税や固定資産税、ふるさと納税といった自治体に直接入る税収を確保する必要がある。何も行動しなければ40〜50年後には町が消滅してしまう。補助金や助成金に頼らない自立した地域モデルを確立し、神石高原町から日本全体を変えたい」と思いを語った。

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