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広島大学はキユーピー、(独)国立病院機構相模原病院(神奈川)と共に世界で初めて、〝ゲノム編集〟によってアレルギー原因成分を低減した鶏卵の臨床試験を3月から始めた。一般に従来の品種改良は優良なものを選抜して交配を繰り返す手段などが採用されるが、数十年かかることが多い。ゲノム編集はDNA上の特定の塩基配列を狙って書き換えることで、自然に起こり得る遺伝子の変化を人為的に誘発する。臨床試験は同病院で2026年まで行い、結果を踏まえて実用化を目指す。
鶏卵アレルギーの主な原因となる成分「オボムコイド」は加熱調理しても不活性化しづらいため、食べると症状が出やすい。同大学はゲノム編集によって同成分を含まない「アレルギー低減卵」を作り、同社がそれを加熱処理・粉末化した原料を使って臨床試験食に調理する。鶏卵に重度のアレルギーを発症する子どもを対象に、段階的に経口摂取量を増やしていく。20年にラボで同鶏卵を作ることに成功しており、23年8月の評価試験では食感が少し硬くなるものの安全性などに問題が無いと確認した。実用化に向けて日本医療研究開発機構の免疫アレルギー疾患対策の研究事業に採択された。同社の製品全体で、国内で採れた鶏卵の約1割を使っているという。「食べたくても食べられない人、アレルギーで苦しむ人をゼロにしたい。あらゆる方法で食の選択肢を広げることは、食品メーカーとして向き合うべき重要なテーマと考えている」とする。
担当記者:吉田