「単分子誘電体メモリ」の実用化に向けた開発を加速

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広島大学発スタートアップのマテリアルゲート(東広島市鏡山、中野佑紀社長)は12月12日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業で補助金2億8000万円が採択され、コンピューターメモリ消費電力の約90%削減につながる「単分子誘電体メモリ」の実用化に向けた開発を加速する。環境負荷の低減に訴求力があり、2025年から薄膜コンデンサ(蓄電器)などの拡販に取り組み、30〜32年の上場を描く。

グリーントランスフォーメーション(脱炭素移行)ディープテック・スタートアップに対する同補助事業の対象期間は2年。自己資金1億4000万円を合わせ、総額4億2000万円を投じる。インキュベイトファンド(東京)をパートナーに、広島大学と共同研究する。同大インキュベーションオフィス内の2室計100平方㍍にラボラトリーを構え、事業の本格化に当たり社員を2人増の4人とした。来年は2人を追加採用するほか、COOを迎え入れる。同じフロアで30平方㍍のオフィス賃借を申請中。新素材の単分子誘電体は、単分子でありながら強誘電体のような特性を持ち、分極の方向をデジタルの0と1に対応させることで情報記録材料に用いる。微細化に極めて優れ、これを用いたメモリは従来の1000倍近い高密度化を実現。結果、従来と比べて約90%の消費電力削減が期待できるという。世界で初めて単分子誘電体を開発した同大大学院の西原禎文教授が最高科学責任者を務め、23年6月に同社を設立。分子設計や特性のカスタマイズ、成膜や微細加工、デバイス設計などのコア技術を持つ。同ファンドや広島ベンチャーキャピタルなどから出資を受け、現在の資本金は7300万円で資本準備金含め1億4300万円。資本性ローン2000万円も受けている。既に複数の大手メーカーと協業が決まり、薄膜コンデンサの次は28年までにFeRAM(強誘電体メモリ)分野に乗り出す。30年5月期の売上高25億円と黒字転換を計画。32年までのDRAM(半導体メモリ)分野開始で売り上げの大幅な伸びを期待し、100億円を想定。40年までにNAND(SDカードやフラッシュメモリなど)分野参入を狙う。

担当記者:吉田

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