環境分析計測、自動分析装置開発のラボテック(佐伯区三宅、吉川晶子社長)は、県立広島大学などと共同開発・特許取得した超音波式害獣忌避装置「ニゲテック」をモデルチェンジした=写真=。新たな赤外線センサーを搭載して上部からのノイズをカットし、風で揺れる木の葉などの誤作動を防ぐ。スピーカーを3個に増やして超音波音量を5デシベル増強。センサー感知可能距離を大幅に伸ばし、広範囲で動物の侵入を防ぐ「赤外線センサー無線子機」も開発。新モデルは1月から代理店などで販売を本格化している。ニゲテックはセンサーで害獣の侵入を検知し、人に聞こえない2万ヘルツの超音波を最大80デシベル照射し、イノシシやシカを追い払う仕組み。改良した「LTN―410」は従来の周波数2万ヘルツ固定から、2万〜2万8000ヘルツに周波数と照射秒数を複数回初期設定できるようにして忌避効果を高め、ネズミやタヌキなどへの利用も見込む。問い合わせが増えているサルやクマの効果検証も予定する。装置は幅303×奥行265×高さ233㍉、重量5・6㌔。単1アルカリ乾電池8個で1日約20回・約180日稼働。別売りで外部電源アダプター、ソーラー式電源ユニットもある。新たに電池残量用のLEDライトを搭載し、交換時期にボタンを押すと点灯が緑から赤に替わる。県内の代理店は長岡鉄工建設、テクノ環境機器、アトラクトのほか、広島綜合警備保障などが加わり、県外でも周防大島アグリ(山口)、石川屋(福島)などが増えている。2015年11月の初号機納入以降、計234台を販売。エリアは広島を中心に山口、岡山、福岡、京都、東京などで、販売先業種は農事組合法人など64、個人農家24、JRなど鉄道42、ゴルフ場38のほか、備北丘陵公園、びんご運動公園など国公立公園、呉市、安芸太田町などの自治体、県立広島大庄原キャンパスなどでも設置されている。広島と福山に地区支店がある農業用資材のシバタ(東京)、農産物・農業資材販売のマルタ(同)とも新たに代理店契約を結び、東日本での販売を強化して全国展開を図る。
担当記者:大谷