安土桃山時代の武将毛利輝元が築き、長く政治や経済、交通の中心地として栄えた広島城。その三の丸に整備された第1期エリアの商業施設が3月29日に開業した。〝広島らしさ〟を楽しめる食や物産など計5テナントが入り、市民、観光客の憩いの場を目指す。市は民間資本を活用する「パークPFI」を採用し、中国放送(中区基町)が代表の共同事業体「広島城アソシエイツ」が運営を担う。事業対象面積1万3000平方㍍のうち、1期は5500平方㍍に木造平屋5棟を新築。飲食は3店で、「炭火焼 鰻のうな輝広島店」はひつまぶしの本場・名古屋に店を構える広島出身のオーナーが故郷に初出店。お好み焼き「三の丸 八昌」は薬研堀八昌で10年以上修行した店主が独立した新店だ。武家茶道の上田宗箇流が監修した「SOKO CAFE」は、抹茶ラテやフロートなど若者に人気のメニューを充実させる。他の2店は、県内の特産品や伝統工芸品などを扱うおりづるタワー(中区大手町)運営のセレクトショップ「ひろしま IPPIN」と、初心者でも気軽に和弓を体験できる「広島城 射楽」。広島城アソシエイツの神尾正博事務局長は、「温故知新がテーマの体験型施設とし、県外や海外から訪れた人に広島の歴史や文化を感じてほしい。年40万人以上の来場を目指す」歴史館などの第2期エリアは2027年度内に開業予定。一帯のサッカースタジアムやヒロパ、県庁第1駐車場跡地の商業施設とも連携し、新たなにぎわい創出につなげる。
担当記者:道本