経営コンサルティングを手掛けるワタオカS&C(中区大手町、綿岡英幸社長)は4月、クライアント企業と音楽やデザインなどの各分野でスキルを持つアーティストをつなぎ双方を支援する新事業「クリエーション事業」を始めた。商品・サービスの開発やリニューアルの際に、協力するアーティストの感性や技術などを生かせるアイデアを提案。サービス・商品の付加価値アップを支援することで企業のイメージ向上につなげるほか、高いスキルを持ちながらも金銭面で苦労しがちなアーティストが収入を得られる環境をつくる狙い。例えばクライアントから「運営するカフェの来店者数を増やすためにより良い空間に仕上げたい」という要望を受けた際に、ワタオカ社が改善案を提示。同社のパートナーアーティストにリラックス効果のあるBGMの制作や選曲、壁画模様のデザイン、インテリアコーディネートなどを依頼する。クライアントからは月額制もしくは一括で料金を受け取り、その一部をアーティストに報酬として支払う。新事業立ち上げに伴い東京都目黒区に新拠点を開設し、4月中旬から本格稼働した。アーティスト探しを中心に行う。今後は新事業の売上比率を5割まで伸ばし、経営戦略などの各種支援といった本業のソリューション事業と2本柱での活動を目指す。綿岡洋平取締役は「私の身近に多数のアーティストがおり、感性やスキルを生かせていないのはもったいないと会社設立時点から問題意識を持っていた。クライアントへの貢献はもちろんのこと、この新事業の仕組みで夢を諦めずに活動を続けられる人が少しでも増えたらうれしい」と話す。2013年設立。15年に経営革新等支援機関として経産省に認定されたほか、22年にはM&A支援機関に登録。包括的な支援パッケージの充実に力を入れる。
担当記者:阿戸