さくら不動産(南区段原、櫻井聡智社長)は、中区の本通商店街一帯で商業ビルの建設を積極化している。ここ3年で袋町、紙屋町、本通に3棟を完成したほか、今夏には本通商店街内での着工を控える。コロナ後の商業需要の回復を見据え、2020年ごろから不動産の仕入れ〜建て替えを進めていた。
コロナ後の観光や外食消費の再開を受け、県内初出店の飲食店などの開業需要を取り込んだ。袋町公園近くに22年2月竣工したビルは3階建て延べ270平方㍍で、1階に回転ずしスシローグループの居酒屋「鮨酒 肴 杉玉」の県内1号店が入った。同4月には商業施設サンモールそばに3階建て延べ230平方㍍を完成。美容整形の「表参道メディカルクリニック」(東京)に1棟貸し。23年秋には広島金座街商店街と中の棚商店街に面した用地に5階建て延べ901平方㍍を新築し、核テナントにマクドナルドが入居している。本通商店街内では玩具店マルタカ子供百貨店などが入っていたビルを取得。3月末に解体を終え、盆明けをめどに5階建て物件の着工を目指す。大手飲食など複数の事業者から問い合わせがあり、テナントの意向を踏まえて詳細を固めたいとする。櫻井社長は「地域が発展しなければ、地場不動産業は立ちゆかなくなる。若者を引き寄せる求心力のある飲食や物販事業者を誘致し、市中心部の活性化につなげたい」と話す。同社は不動産売買・仲介に加え、安定した収益確保を目指して時間貸し駐車場「さくらパーク」を積極展開する。24年9月期売上高は16億4000万円を計上。
担当記者:道本