竹やカキ筏(いかだ)廃材チップ製造販売のTEGO(呉市川尻町西、中原佑介社長)は、竹・筏チップや堆肥を使って野菜や果物づくりを目指す実践的農業スクール「竹と農の学校」(通称・タケトノスクール)を始めた。下蒲刈島で観光農園を営む菅原常司氏を講師に、TEGOの竹・筏チップや共同開発した竹炭を敷くことで防草する実践栽培も行い、スーパーやネットでも販売予定。同様の栽培方法を採用したブランドレモン販売も計画する。呉市で小学校教員を30年務め、現在は下蒲刈で菅原オレンジ農園、広島ミニヤギ牧場を経営する菅原氏がレモンやミカン、ライムなどかんきつを中心に栽培や販売方法などを教える。入門コース(全5回、2万5000円)はレモン苗木の植栽・接ぎ木、動力噴霧、施肥、せん定、防草など、専門コース(全10回、6万8000円)はレモン、ミカンの栽培・収穫全般で、経営コース(全15回、13万8000円)は農園を借りて実際に栽培を行いスーパーへの出荷、ネット販売、観光農園の運営などを実践する。受講者は県内在住の19歳の大学生から70歳代の夫婦と幅広く、計9人が学んでいる。TEGOは中原建設社長を務める中原氏らが2023年に法人化。竹チップは県内の放置林の竹が原料で、24年度は約20㌧を委託製造。カキ筏チップは大野町漁協と地御前漁協の協力で年約15㌧を製造した。久井工業団地(三原)の公園で、約300平方㍍に竹チップ・筏チップと防草シートを組み合わせ、防草効果を検証する。他に福山市役所や廿日市市役所で試験を実施し、造園業者を通じてそごう広島店の屋上やマクドナルド宮島口店の敷地内緑化にも活用された。RBCコンサルタント(滋賀)などと共同でTEGOの竹炭と微生物活性資材を混合した有機JAS認証の土壌改良剤「竹すみ姫」を開発し、ネットなどで販売する。工場緑地や太陽光発電所での利用を促進するほか、竹林が多い九州やカキ養殖が盛んな東北で販路を広げ、27年度には年商1億円を目指す。

担当記者:大谷

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