廿日市野村病院や高齢者施設などを営む医療法人みやうち(廿日市市宮内字佐原田、野村陽平理事長)は、児童発達支援事業を始める。グループ法人のメディカルサービス廿日市(野村知子社長)がJR廿日市駅近くに保有する「みやうち廿日市駅前ビル」(同市平良山手11―47)内に「はつかいちこども心身発達クリニック」を6月2日に開業。児童福祉の需要が高まる中、幅広い年齢に対応できる福祉サポート体制の構築を目指す。2階の一角(165平方㍍)に入る。未就学〜18歳が対象で、診療科目は小児心療内科、児童精神科、リハビリテーション科とする。広島西医療センター(大竹市)などに勤めた小児科医の湊崎和範院長を含め看護師、作業療法士、公認心理師、言語聴覚士など7人を新規採用。壁上り競技のボルダリング機器を置くスペースや、相談室を設け、子どもの発達レベルに応じて運動・感覚・認知機能訓練を施す。診療時間は午前9時〜正午、午後1時半〜5時で水曜休診。(電)0829―20―5807。同ビルはグループのサービス付き高齢者向け住宅と高齢者デイサービスが入るほか、保育園や脳神経外科(2026年夏開業予定)、調剤薬局、放課後児童クラブにテナント貸ししており、幅広い層の健康と福祉を一貫支援する施設を目指している。文部科学省は22年調査で、通常学級に在籍する小中学生の8・8%に学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があると推定。前回の12年調査から2・3ポイント上昇した。同法人は「近隣エリアに同様の施設が少なく、初診待ちが深刻化している。少し発達が気になる程度でも気軽に相談してほしい」とする。5月31日に内覧会を開く。
担当記者:道本