2021年設立のベンチャー、NONAME(西区井口、西原健太社長)は4月21日、県内の学生間で不用品の物々交換を促す無料アプリ「モノマチ」のサービスを始めた。教材、服、家電などを譲り合ってもらい資源の有効活用や学生の経済的な負担の軽減につなげるだけでなく、物の交換を通じて会員同士の交流も促進。若者向けサービスや企業の採用情報などの広告主を募り収益化を図る。
モノマチは県内の高校・専門学校・大学生限定で利用でき、登録や交換時の手数料は発生しない。会員は有形の物品だけでなく、例えば勉強を教えたり、引っ越しを手伝ったりといった無形サービスも出品できる。アプリ上でマッチングが成立すると原則、対面で品やサービスを交換。直接会う機会をつくることで新たな交流のきっかけにしてもらう狙い。同社はサービス開始に向けたテストマーケティングとして昨年9月から約半年間、本社所在地で物々交換の実店舗を運営。世代を問わず営業した結果、1人暮らしなどの学生のニーズが最も高かったという。西原社長は「私自身もひとり親家庭で育ったため、金銭面で苦労する学生の気持ちはよく分かる。昨今の物価上昇や環境意識の高まりもあり、物々交換は盛んになっていくのではないか。コロナで希薄化したとされる若者のつながり構築にもつながれば」と話す。まずはSNSなどを通じて登録者を増やすほか、広告主の募集に注力。将来は会員を集めた交流イベントの開催や、県外学生と社会人(有料)への対象拡大を構想する。西原社長は会社勤めでウエディングプランナーや、個人で訪問販売、貨物運送ドライバーを経験。会社設立時は貨物運送業を営んでいたが現在は撤退し、モノマチに主眼を置く。
担当記者:近藤