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値決めの作法

県内企業でも賃上げに踏み切ろうとする機運が高まっています。と同時に、その多くが商品やサービスの値上げもワンセットで検討されているはず。しかし無遠慮に価格を上げるだけでは「物価高の負担を客に背負わせた」と見抜かれ、反感を買います。飲食店などでよく見かける「諸物価高騰につき」といった張り紙がどれだけ不快感を与えるか、想像力を働かせていただきたい。消費者に告知せず内容量をシラっと減らすような、いわゆる「ステルス値上げ」などもってのほか。ブランド力はたちまち失墜し、そうなるとリカバリーも容易ではありません。こういった悲劇を避けるには、値上げの前段として商品のバージョンアップ、つまり付加価値の捻出が不可欠です。その上で「価値をしっかり伝えきる」ことが重要。以前よりどこが新しくなったか、他社と比べてどう優れているか、さらに「誰にとって」「どのようなシーンで役立つのか」を瞬時に伝わる言葉で明文化するのです。黙っていては理解してもらえません。付加価値アップの第一歩は気心の知れた既存客をモニターに選び、利用している側からの優位性や改善点、個々の利用法をアンケート調査で詳細に引き出すのがよいでしょう。最前線の営業マンにもターゲットの生の声をレポートで提出させます。「こうあればより望ましい」という項目は無茶ぶりレベルを要求する。差し障りないコメントを聞いても意味がありません。どうすればクリアできるのか方法すら分からない悩ましい課題こそ、真に変わるきっかけになりえるからであり、広島の経営者が好きなPDCAでは「これまで通り」の発想にとどまります。焦る気持ちをなだめながらヒアリングを3カ月ほど実施すれば現行商品のクオリティーが客観視でき、目指すべきポジションが見えてくるはずです。売り手側の思いが至らなかったメリット・デメリット、新たな付加価値創出に有効なアイデアだけでなく、収集したお客さまのリアルな声は情報発信にふさわしい刺さる言葉へ応用できます。マーケティングとは関係性ビジネスの育成であり、ターゲットとなる企業や個人に最大限の敬意を払うことこそが基盤となります。地道な情報収集なしにデスクに居座ったまま、カンと経験を頼りに「想定するペルソナは」などとやっても、時間のムダというわけです。成果を上げている私のクライアントも地味なヒアリングを頻繁に実施し、大きな成果を上げています。一見、値上げはネガティブなアクションのように思われがちですが、私はむしろ、収益を上げて企業を成長させるには、攻めのプライシングこそ必須と断言したい。これを機に、競合を見て価格を上げ下げする不毛な価格競争から脱し、高付加価値で勝負できる企業への一歩を踏み出されてはいかがでしょう。次回の後編では、商品やサービスをバージョンアップする際のマインドセットなど注意点を解説します。

プロフィル

小林 カズヒココピーライターやアートディレクターを経て、中四国初の本格的なマーケティングコンサルに転身。中小企業経営者や個人事業者へのコンサルほか、金融機関からの依頼で経営が悪化した企業への助言も実施。これまで数十種の業態のコンサルを手掛け、そのスキルの即効性はコロナ禍でも実証されているという。
マーケティング診断や相談先メール(匿名不可):marketingdefense@harukomania.com

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