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菊池涼介は入団直後、守備があまり上手な選手ではなかった。球場で観戦したある試合では三つのエラーを犯したことも。その頃は隣の名遊撃手・梵英心の堅実な守備が目立っていた。今では信じられないが、彼は2013年に19回、14年に12回、15年に10回と3年連続で2桁エラーを記録している。その後、隣を守る遊撃手が梵から田中広輔へと代わった。そして次第に〝タナキク〟コンビとして、カープのリーグ3連覇の立役者となり、その華麗な守備に注目が集まるようになった。今季、相方(遊撃手)として頭角を現してきた4年目の矢野雅哉が、菊池に勝るとも劣らない守備を披露し始めた。矢野は元々その守備力が買われ、2020年ドラフト6位でカープに入団し、特に肩の強さを売り物にしていた。今年8月9日の阪神戦。8回2死一塁。三塁手・小園海斗の左に強いゴロが飛んだ。小園が必死に飛びついたが、打球は小園のグラブの左下を抜け、左前へ…と思われた。ところがいつの間にかその斜め後ろに走り込んでいた矢野がこれを逆シングルで捕球。体勢を崩しながら一塁へノーバウンド送球し、打者をアウトにした。思わずテレビ解説者が「ウソやろ」とうなる。12球団の二遊間を見回したとき、守備だけで語れば〝キクヤノ〟がナンバーワンの輝きを放っていると思う。ただ大事な終盤戦で、矢野の手痛いミスが続く。それでもカープの名物となったキクヤノの守備で野球が楽しめるのは、むしろぜいたくな話ではないか。
プロフィル
迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」