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今になって振り返ってみると、あの〝魔の9月〟にいったい何が起きていたのだろうか。カープは9月4日まで独自の「粘り勝つ野球」でセ・リーグ首位。しかし9月の20敗(5勝)は球団ワースト記録となり、9月以降に首位に立ったチームが4位に終わったのもプロ野球史上初めてのことだった。このシーズン。開幕スタメンに田村俊介を入れるなど、若手を積極的に起用した。彼らに与えられた打席は、その田村に106、宇草孔基に75、中村奨成に70、林晃汰に64、中村貴浩に25、中村健人に24、佐藤啓介に17だった。しかし、いずれもレギュラーを脅かすような存在にはなれなかった。特に長打力不足は深刻で、チーム52本塁打はリーグ最少。2桁本塁打を放ったのは坂倉将吾(12本)だけだった。加えてチーム打率(2割3分8厘)はリーグ最下位、打点(390)は下から2番目だった。そうなると自然に、カープ野球は「ロースコアの展開に持ち込み僅差で逃げ切る」という形しか勝つ術が見つからなかった。この状況下、8月までリーグ最強といわれていた自慢の投手陣に〝しわ寄せ〟が出始めた。得点力不足のため、相手チームに余計な点を与えられないので、自然にコーナーギリギリを狙う投球になる。そこで球数がかさみ、ほとんどの投手が連鎖ゲームのように崩れていった。新井監督が「一番重要な時期」としていた最後の1カ月間。大瀬良大地、九里亜蓮、床田寛樹、森下暢仁の先発4本柱の成績は合わせて1勝14敗だったのである。さあこれから、新井カープの立て直し改革が始まる。
プロフィル
迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」