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いま思い返すと、今季終盤のカープの歴史的な失速劇は次への格好のプロローグになるかもしれない。独自の粘り勝つ野球で9月初旬までセ・リーグ首位。しかし何が起きたのか、結局4位。おそらく味方打線の得点力不足で接戦が続いたため、投手陣に度を越える精神的な負荷が蓄積した結果だったと思う。さあ新井カープは、これからそれをどう克服していくのか。言ってみれば、厳しい逆境からの再出発(船出)になる。その具体的な方策のヒントについては、シーズン終了後に彼がファンに語った言葉を思い出すとピンとくる。「監督である私の力不足を痛感している。来シーズンはさまざまなことが変化する。それに伴う痛みも生じる。さらに厳しい道のりになると思う。覚悟と信念を持って、強いチーム、強い選手を育てていく」。ここで一番注目すべきことは、彼がその後も含めて、何度も〝強い〟という言葉を口にしたことだった。これを私なりに言い直せば〝勝つチーム〟よりも〝強いチーム〟を作るということである。ただこれは一朝一夕で達成できることではない。とにかく時間がかかるのだ。かつてリーグ3連覇を達成した緒方孝市(元監督)は、テレビ番組でこう語っていた。「とにかく選手の体にしみ込ませるくらい練習させることです」。それは新井監督の覚悟とも重なる。秋季練習からキャンプまで、これまでになかったハードなトレーニングが続く。75年の歴史を刻むカープは、そのバトンを受けた新井監督が体勢を立て直し3年目の勝負に挑む。
プロフィル
迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」