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2024年12月10日。ノルウェーで「日本被団協のノーベル平和賞」の授賞式が行われた。長年の被爆者の反核と平和への活動が認められたのである。実は、私は被爆2世。そしてカープの新井貴浩監督もまた被爆3世(祖母が被爆)である。ご存知だろうか。かつて小学生の新井少年が読みふけった本がある。それは小学校の教室に蔵書として備えられていた中沢啓治の「はだしのゲン」だった。主人公のゲンが廃墟の中でたくましく生き抜く姿(物語)が、新井少年の心の支えになっていった。私は新井監督こそ、現代版「はだしのゲン」ではないかと思っている。廃墟と化した被爆の地から不死鳥のようによみがえっていく広島の街とカープの姿は、まるで中沢氏が描く劇画のようである。新井監督はファン(被爆者含む)を喜ばせるため「カープは家族」という言葉を掲げ、これまでの監督になかったスタイルの采配で、カープを引っ張っている。ところが24年は9月に大失速し4位。いま懸命にはい上がろうとする姿もまた、私にはどうしても被爆者の姿(魂)と重なって見える。勝っても負けても、また優勝してもしなくても、新井監督の頑張る姿は広島人の象徴なのではないか。私事で恐縮だが、このたび『ヒロシマ人の生き方―言わんと意見』(南々社)という単行本を上梓した。そしてその第6章で、そうした人たちの物語を詳しく書いた。偶然のことだが、その内容がこの度のノーベル平和賞の受賞理由とも一致する。被爆者が心のよりどころとしたカープは、来季もファンに勇気と希望を届け続ける。

プロフィル

迫 勝則(さこ かつのり) 1946年生まれ。マツダ退社後に広島国際学院大学部長などを務め、執筆・講演活動を続ける。近著は「森下に惚れる」「逆境の美学」

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