社会や組織は人で構成し、全ては人が営む。タクシー会社として社員には乗客の安全第一を徹底させている。フェース・トゥー・フェースで送迎するため、乗務員の気遣いや利用者との会話も重要。例えば旅行客には車内の世間話を思い出のワンシーンとしていただきたい。旅の土産はお客さまの元気な笑顔。どんなに時代が変わっても、機械ではない血の通ったサービスは人と人とのつながりから始まる。とはいえ、たくさん失敗してきた。今思えば判断を誤るときは、激務の連続や寝不足で健康を害していた。私は、祖父が創業した当社に2003年入社以来、総務経理畑が長い。乗客の安全のためにも、適切な労務管理などで社員の健康そして雇用を守る。コロナ禍には人の動きが激減し、たびたび休業。逆風に逃げ出したいが、そんなときこそ無理せず精神的なプレッシャーを抑える。自社ビル売却などでしのぎ、今は賃貸物件に入居。また、電話での配車を廃止してアプリへ完全移行した。コスト削減が目的だったが、乗務が効率化され、デジタルネーティブの若い乗務員が多く入社してくれるようになった。今は20、30、40代が各1割で、平均年齢54歳。県内全体よりも約10歳若く、社内に活気がある。街に人出が戻った。さぁ、これから。
担当記者:吉田