前会長で一昨年に亡くなった父は広陵高で甲子園に出場した経験があり、私も小学生の頃から野球に打ち込みました。当時、カープで憧れていたのは俊足が武器の高橋慶彦選手です。ひたむきにグラウンドを駆ける姿が本当にかっこよかった。あやかって同じ背番号2を付けたほか、スイッチヒッターに挑戦した思い出があります。高橋選手が晩年、ロッテにトレード移籍した際は、中国新聞の企画で惜別メッセージを送ったことも。その紙面は現在も母が保管しています。一押しの選手が不在の数年間を経て、次に心を奪われたのは1歳下の前田智徳選手です。一切の妥協を許さないスタイルは、とにかくすごい。特に印象的なのは1992年の巨人戦で、試合中盤に守備でミスを犯して同点に追い付かれた後。終盤に決勝ホームランを放ったのですが笑顔は全くなく、悔し涙を流していたのです。20歳過ぎで、こんなに自分を厳しく律しているのかと驚かされました。社長に就いた今も見習って、そうした姿勢を社員に見せられるよう意識していますし、休日に興じる草野球では同じ1番を背負っています。福岡県で大学生活を送った影響で、実はパ・リーグではホークスを応援。2018年の日本シリーズでカープと対戦したのがうれしく、両軍のユニホームを持って現地観戦していました。またこの組み合わせが実現してほしい。もちろん、次こそはカープが日本一に輝くことを期待しています。

担当記者:近藤

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