呉市の蜜屋本舗の専務で、県内に3人しかいない全国和菓子協会認定の「優秀和菓子職」の1人。4月に福屋広島駅前店に2店目を開業した。季節の移ろいを感じてもらえる和菓子の魅力発信に取り組む。「伝統を大事にした和菓子を月替わりで提供。和菓子は四季に合わせて多彩な表現ができる。ここに来ると旬を感じてもらえる店にしたい」手間がかかり日持ちしにくいが、あえて生菓子を充実させる。自ら目の前で実演する上生菓子のほか、あんこをふんだんに使う「金のあんドーナツ」を看板商品に育てる。「何かを乗せたり混ぜたりする『映え』が流行しているが、基本のコンセプトはシンプルであること。日常的に子どもに食べさせたいと思える素朴な菓子も大切にしていく」1982年6月29日生まれ、呉市出身。土産物需要が激減したコロナ禍に、全国の和菓子職人を巻き込んだ「旅する和菓子」という共同販促の企画を主導。東京で毎年2回開催する定番企画に育てた。4月に新宿高島屋で行った1週間のイベントは最高売り上げを更新した。「和菓子の個人消費は今も底堅い。各店の職人が裁量を持って働ける体制を整え、地域ごとに異なる需要をしっかりとつかんでいきたい」
担当記者:梶原